一昨日は美容室からの帰り、久しぶりに四ケ町のアーケードを歩きました。

おそらく、高校を卒業したばかりの子達なのでしょうね。
楽しそうに歩いていく集団をいくつも目にします。

目を細めながら歩いていると、集団の中に見知った顔が!
髪を染め、しかもパーマで荒ぶったKくんではありませんか!
Kくんには授業で関わることも無く、ただ顔を合わせるだけの関係でした。

センター前、点数が足りてないと悲しそうな目をしていたKくん・・・
そんな捨てられた子犬のような目を見ていたら
「頑張って!もし合格したら好きなもの奢るから!」
つい、そんなことを口走っていました。
インセンティブを与えると、逆に能率が落ちるなんて実験結果もありますが、
そんな細かいことはどうでもよかったのです。
とにかく人一倍努力していた彼には、掴み取る権利があって欲しいと思いました。
「奢り」が彼に響いたかどうかはわかりませんが、
「じゃ焼肉奢ってください」
との返答でしたので、「焼肉」を約束しました。

その後、逆境を跳ね返し、自力で医学部合格を掴み取ったとは聞いたものの、
この時期の高3は色々と忙しいでしょうし、私も忙しかったので
「結局奢らずじまいかな」と思っていたのですが・・・

何の因果か、アーケードでばったり会ってしまったのです!
現実は私の財布に対して非情なんですね。
「おー久しぶり、約束してた焼肉奢れなくてごめんね!忙しいやろ?」
と先制攻撃で予防線を張ると、
「いや、明日の夜空いてますよ!(ニヤリ」
という残酷な返事。憎い!
これは出費を諦めざるを得ない・・・
というわけで。
容赦ないたかりを浴びせてきた二人に対し、紳士対応で奢ってきました。

正直、覚悟していたよりは安く済んでほっとしています。
急な決定だったので、たかりが二人だけでしたしね。
というのは冗談で、
ほっとしたのは他の生徒さん達のことを聞けたからです。
この日たかりに来たSさんも大学が決まったとのことですし、
他にも気がかりだった生徒さん達のことを詳しく聞けて少しほっとしましたね。
しかし、やはりというか、今年決まらなかったり、思うところに行けなかったり
という生徒さんもいたようです。

帰りはたかり二人を車で送り届ける紳士対応です。
Kくんとはお家の前で少し話し込んでしまい、結局遅くなってしまいました。
話し過ぎたと反省しています、ごめんなさい。

私の財布が軽くなった分、二人ともこの四年でさらに成長して欲しいと思います。
ちょっと尖ったKくんにはいつまでも筋の通った強い人間でいて欲しいですね。

今回の高校3年生に関しては、私は部分的にしか関われませんでした。
だからと言って、何も責任が無いとは思いません。
こんなに頭のいい子達なのに、何でそんなに自己肯定感が薄いのか、何で諦めるのか、
何でもっと早く受験対策に入らないのか、何でもっと徹底・反復しないのか・・・
昨年は私も一講師という立場上、動ける範囲が限られていました。
そのせいで、責任が無いというよりむしろ、感じるもどかしさは多かったように思います。

毎年塾の仕事は1年がすっきり終わることは少ないように思います。
ある生徒さんは良い結果であったとしても、他の生徒さんもそうとは限らないのです。
良い結果が出なかった生徒さん、それが全力を尽くした結果だったとしても・・・
「もっと成績を上げられたのではないか」「もっと徹底すべきではなかったのか」
といった疑問や後悔は尽きませんし、翌年以降も割り切れずに尾を引くことになります。

しかし、こういった割り切れない気持ち悪さを
「しょうがない」
と割り切ることで解消していては終わりだと思います。
塾の3月はPDCAサイクルで言えば、Check(評価)の時期ではないでしょうか。
次年度へ向けてのACT(改善)がきちんとできなければ、同じことの繰返しです。
「しょうがない」はCの放棄です。最終的にはダメになってしまうでしょう。
去年はその典型的な例を見ました。

しかし、今年は違います。
一昨年のように、すでに受験対策に入っています。
心を鬼にして、徹底的にビシビシ鍛えていきます。覚悟してくださいね!