第一回の定期試験が終わった中学生から、成績の報告を受けています。

いまのところ数学ではすべての生徒が90点以上取れていてほっとしていますが、英語は思うように取れていないようです。生徒さんたちも試験を甘く見ているわけではないようですが、演習量が不足しているように感じます。どの科目もそうですが、演習量を確保すればある程度の点数は取れます。思うように点数が取れていないのなら、徹底が足りないということでしょうね。塾としては反省すべき点ではあります。

前回、定期試験に躍起になることに関して批判的な文章を書きましたが、定期試験を軽んじているというわけではなく、必要以上に重視しないということです。あくまで日常の学習がどれくらいできているのか、確認の目安として捉えています。定期試験を有効に使うという意味でも深刻に捉えすぎないほうが良いかと考えます。

定期試験後に保護者の方から「成績が本当にひどかったんですよ」というようなお話を聞くことがあります。しかし、実際に成績表や答案をみると、「ひどい」とまでは言えないことが多いです。例えば、数学は90点前後、英語は80点前後、他の科目が60~70点前後といったような場合でも、「ひどかった!」とおっしゃいます。確かに数学以外は「良くはない」といえるかもしれませんが、「ひどい」と形容するレベルではないでしょう。私が「数学はよくできていましたね。英語もそこそこ良かったですよね?」と尋ねます、「英数は良かったんです。でも、他がひどくて。全体的にはやっぱりひどいですよね」といったことをおっしゃいます。

こういう場合は「数学良かったね!!すごいね!!」と褒めるのがまず第一ではないでしょうか。他の点数については、平均点は試験よってまちまちですし、点数だけで絶対的に評価はできませんから、成績表の度数分布表や答案での解答を見ながらそれぞれについてじっくり分析しなければ話はできません。平均点が80点のテストで90点を取るより、平均点が50点のテストで70点を取る方が良く出来ていると言えるでしょう。以前、ある中学校の英語の試験で、平均点が30~40点ほどという異常な状態が続いたことがありました。その時の生徒さんは60点台をキープし、クラスでも1,2番だったのですが、保護者の方は「60点台なんてひどい点数、ほんとにありえないですよ!」と憤慨しておられました。この場合、ひどいのは試験の質であって、解く側の生徒さんではありません。また、苦手な科目で普段より取れていれば、それは何点であっても褒めるに値するのではないかと思います。

試験の度に反省すべき点ももちろんあるでしょう。しかし、出来なかったことばかりを毎回指摘し、それでお子さんのやる気が出るのであれば良いのですが、実際はその逆です。やる気を削いでしまっているからこそ、「ひどい」点数になってしまうのではないのでしょうか。「もっと頑張ってほしい」、「もっと出来るようになってほしい」というお気持ちは痛いほどよくわかりますが、そこでクドクド指摘してみても改善はしません。それよりも、普段の頑張りが発揮できている部分や、試験でよく書けている部分を評価し、次につながるエネルギーを引き出すように試験を利用する方がより建設的だと思います。