昨日、中学生の英語テキストを採点していて残念なことがありました。
教科書準拠の教材で、英文を日本語に訳す問題があり、生徒さんが宿題で
訳してきたものに少し不自然さがありました。
自力でやったにしては、「こなれた訳」に感じられたのです。
それで
「どうやって訳したの?」
と尋ねると、結局は
「教科書ガイド」
の訳をそのまま写したとのこと。
・・・ちょっと脱力しました。
「勉強すること」ではなく、「穴埋めすること」が目的になってしまっています。
それではいくらやっても時間と労力の無駄で、成績も伸びません。
学校教育が「板書をノートに綺麗に書き写すこと」ばかりやっている弊害でしょう。
そういうマインドの生徒さんが多い気がします。生徒さんの中には板書をノートに
書き写すのに焦燥感まで持ってしまっている子もいますが、そういう書き写すだけ
の行為にどのようなプラス効果があるのでしょうね。何事も形だけになってしまう
いけません。頭を動かすのが目的であり、付随する行為はどうでも良いと思います。
当塾ではテキスト類の採点を生徒さん任せにするのではなく、講師自身が行うので
このような「勉強もどき」にも気付きやすいとは思いますが、必ずチェックできる
とは限りません。定期試験の成績が気になって仕方がない生徒さんも多いので英語
は準拠教材も使用しているのですが、このようなイタチゴッコが起きるのなら教材
も考え直す必要があると感じました。
それにしても教科書ガイドなんてものをなぜ買うのでしょうか。無駄に高いですし。
「魚を与えるのではなく、取り方を教える」
の意味では、教科書ガイドは魚を直接与えるようなものだと思います。
「成績が悪い」⇒「教科書ガイドを買おう」
は最悪手だと思いますね。成績が悪くて焦っている親子にありがちとは思いますが、
そもそも手っ取り早く解決すると考えるのが誤っています。
「成績が悪い」⇒「基礎からコツコツ、我慢して地道に勉強する」
のが正しい学習のあり方です。避けては通れません。